日本バイオ炭コンソーシアム
鹿児島県大崎町への訪問
鹿児島県大崎町のリサイクル挑戦-農産廃棄物の再資源化に向けた炭化プロジェクト
8月5日-6日と、鹿児島県大崎町を訪問。
同町は「リサイクル」の町として、その名前を知っている人も少なくないと思います。
行政・住民が一体となった家庭ごみのリサイクルにより、大幅なゴミの減容化を果たし、紙おむつ、廃食油のリサイクルの試みなど徹底した環境政策を実行する大崎町は、2006年から通算15回で「リサイクル率日本一」を達成しています。
そんな大崎町より、「農産廃棄物を炭化し、農業に活用できないか」という問い合わせを頂きました。大崎町は畑作も盛んで、収穫後にはダイコンやキャベツなどの残渣が大量に発生し、地域の困りごとでもあるとのこと。
役場の方々とのオンライン会議では、水分の多い野菜くずをどのように有効活用できるか、炭化して再資源化できるか、皆で知恵を出し合いました。
かくして、私どもは、大崎町のリサイクル魂に触れることになったわけですが、どうやって減容方法(炭化、堆肥化を含めた)を見出し、既存のリサイクルプロセスに嵌め込んでいけるかは、そう簡単なことでは無いと感じました。
何度か遠隔での話し合いを経て、柴田センター長とともに、当地を訪問しました。
まずは、中央公民館大ホールにて職員の皆様と私どもでバイオ炭に関する討論会を開催(写真1)。
大崎町の特殊な点は、環境政策担当の部署のみならず、全部署横断的に多くの職員さんがこぞって参加され、班ごとに分かれて意見をまとめ、矢継ぎ早に質問を投げて来られました。
貪欲に情報を集めようという皆様の勢いは凄いものです。 現地視察では、(有)そおリサイクルセンターの大崎有機工場を訪問させて頂きました。
こちらの工場では、町内から集まる生ごみと剪定枝がそれぞれ粉砕され、堆肥化されています。出来た完熟堆肥は農家や家庭菜園向けに販売されています。
堆肥の袋には、「おかえり環(かん)ちゃん」と銘打たれており、廃棄物が円を描いて資源として還ってくるイメージが伝わってきます(写真2)。
一方で、地域での個別の取組みとして、荒廃竹林を再生させている方々からお話しも伺いました。そこでは、集落の皆さんが、竹の小物やメンマ、竹炭を作り(写真3)、年々事業の規模を拡大されています。皆さん、自主的に考え、楽しんで働いていらっしゃるようです。
懸案の農産廃棄物の炭化を通じた再資源化には、いくつか越えるべきハードルはありますが、関わる方々の明るい意気込みが感じられましたので、皆が納得のいく解決法に至るのではと思います。私どもも、引き続きお手伝いさせて頂きます。