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研究員コラム⑭-2 岸本文紅先生

第9回国際土壌有機物シンポジウム(SOM2024、モロッコ)に参加して(その2)

研究員コラム⑭-2 岸本文紅先生

第9回国際土壌有機物シンポジウム(SOM2024、モロッコ)に参加して(その2)


日本バイオ炭研究センター客員研究員

農研機構 農業環境研究部門 上級研究員

岸本文紅


今回シンポジウムの会場となったUM6P Ben Guerirキャンパスの規模と、その機能とデザイン性の高度な調和に感心しました。聞いたところによると、モロッコのリン肥料生産の世界大手であるOCPグループが出資しているそうです。ここBen Guerir以外にも、カサブランカやラバト、さらにフランス(パリ)やカナダにもキャンパスがあります。シンポジウムにはOCPの職員も参加しており、お話を伺うことができました。「なぜフランスやカナダにまでキャンパスを作るのですか?」と質問したところ、人材確保のためとのことでした。素晴らしい先見の明で投資していると感じました。大学の教授陣も各国際研究機関からリクルートされており、充実した実験施設と美しいキャンパスに若い学生たちが集まり、活気に溢れています。モロッコでは日本が非常に人気のようで、学生さんたちから「日本の文化が好き」「アニメが好き」とよく話しかけられます。本当に何か繋がりができるといいなと感じています。

写真4:Ben Guerirからマラケシュ一帯の景観と農業  

マラケシュ空港に降り立ち、車でBen Gueririへ向かう途中は、一面に広がる沙漠の風景が見られます(写真4の上)。


ここでの農業はすべて灌漑農業で(写真4の下)、オリーブが主力作物です。水源は地下水やダムの水、さらに海水を淡水化して利用しているすると聞いています。UM6Pの実験圃場を見学した際には、潅水なしで栽培できる食用多肉植物の品種選抜や、安定した収量を確保するための施設栽培技術の開発もおこなわれていました(写真5)。施設栽培にはバイオ炭を培土に利用する可能性も感じました。



写真5:大学Agricultural Innovation and Technology Transfer Center (AITTC)を見学 (左:トマトの施設栽培、右:潅水なしで栽培できる食用多肉植物の品種選抜実験圃場)

■問い合わせ先

日本バイオ炭コンソーシアム

〒567-8570 大阪府茨木市岩倉町2-150
TEL: 072-665-2570 (立命館大学研究部OICリサーチオフィス 担当:岡本・綾城・工藤)

Mail:rbrc@st.ritsumei.ac.jp

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