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日本バイオ炭コンソーシアム
研究員コラム⑨ 稲冨 素子先生
未利用バイオマス賦存量推計研究での千思万考
未利用バイオマス賦存量推計研究での千思万考
農研機構 農業環境研究部門 上級研究員
日本バイオ炭研究センター客員研究員
稲冨 素子
農地から発生する未利用バイオマスの賦存量は、気候変動対策として注目されるバイオ炭の生産可能量を推定する鍵になると考えられます。
私は現在、未利用バイオマスとして果樹剪定枝、稲わら、もみ殻、麦わら、その他の農業残差の5種類の賦存量を推計しています。未利用バイオマス賦存量の推計には水分を含まない「乾重」を用いますが、水分を含む「生重」データの場合は含水率データを収集して換算する必要があり、推計では「生重」から水分量を減ずるだけですが、実際の農業者には作業の負担が生じます。例えば果樹剪定枝をバイオ炭として施用するには、病害虫を発生させないために、剪定後すぐさま果樹園から持ち出し処分を行います。そこでは
①乾燥するためのスペースを用意
②果樹園からの持ち出し
③炭化(剪定枝をバイオ炭にする)
④農地への施用
となり、慣行栽培よりも農業者の負担が増えます。これらの負担が正当に評価され、農作物の付加価値や炭素価格へ反映されることを願っています。
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