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研究員コラム⑦ 梅澤 美明研究員

アマゾン地域の炭の利用について

研究員コラム⑦ 梅澤 美明研究員

アマゾン地域の炭の利用について



日本バイオ炭研究センター 客員研究員 梅澤 美明

((株)イーエヌツープラス 代表取締役)


 2010年に、元・日本バイオ炭普及会会長の故小川眞先生とブラジルのアマゾン地域を訪問し、アマゾナス大学や現地の農協でバイオ炭を使った土壌改良のセミナーを開催しました。このたび、13年ぶりにブラジルのマナウスに訪問する機会を得たので、そのお話しをします。

 2023年12月14日にドバイ、サンパウロ経由でマナウスに到着しました。今回は、バイオマスリサイクルに関する調査の仕事で訪問したのですが、個人的には、テラプレタと呼ばれている「黒い土壌」に興味があり、森の中を歩いてきました。アマゾン川流域の土は肥料成分の少ない黄土色の酸性土なのですが、ところどころにテラプレタと呼ばれている黒い色をした土壌が確認できました。この土には炭が多く含まれており、古代人が長年の生活の中で造ってきたと言われていますが、この炭が肥料成分の溶脱を防いだり根圏環境を改善して、植物の成長を助ける豊かな土壌になったと言われています。

 昨年はこの地域でも多くの山火事が発生し森林が消失しているのですが、興味深いことに、その再生のための苗木づくりに炭が利用されていました。13年前の小川先生の土壌改良セミナーが活きているのかもしれません。

 12月21日に、マナウスからベレン経由でトメアスという所に入りました。ここは、日本人入植者が多くいるところで、実は私の叔父も60年前に入植し、ここでカカオとアサイーを作って暮らしています。日本人の農家の方々は炭による土壌改良に理解が深く、いろいろな場面で炭を使った栽培を進めている姿を見て感慨深いものがありました。




森林火災の現場


炭を使った苗づくり

トメアスに行くまでの渡し船
日本人が経営する農場の入り口











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