
日本バイオ炭コンソーシアム
石川県能登町で炭化プロジェクト始動
石川県能登町で災害廃棄物などを活用した炭化プロジェクトが始まります。

奥能登に位置する能登町は、2024年1月1日に発生した能登地震、2024年9月の能登半島豪雨で甚大な被害を受けられました。日本バイオ炭コンソーシアムの会員で、建設業を営む令和コーポレーション株式会社(神奈川県)は、本業の土木・建築事業で奥能登地域の復興を支援する一方、災害で排出された大量の木質系バイオマスに目を向けられ、それらのバイオマスの炭化、バイオ炭を土壌改良剤として使用することでの化成肥料に頼らない農業の推進、バイオ炭の農地施用での炭素価値のクレジット化、に関心を強く持っておられます。これまでバイオ炭が能登町の復興の役に立つのではないかと、バイオ炭研究センターと打合せを重ねてきました。
2025年5月14日(水)に日本バイオ炭研究センターとして能登町役場を訪問し、町役場の農林水産課の方々、令和コーポレーションの方々とバイオ炭についての勉強会を行いました。まずは沖森客員教授から「環境にやさしいバイオ炭を地域振興と温暖化対策に役立てる」と題してバイオ炭とは何か、そしてバイオ炭が地域振興や地球温暖化対策にどう貢献できるのかということについて講演し、続いて小澤客員研究員から「J-クレジット申請のイロハ」と題して、実際にJ-クレジット申請に必要な作業や今後のスケジュール感について説明をさせていただきました。その後にはバイオ炭のクレジット価格や、製炭とバイオ炭の農家への供給をどのような仕組みでやっていくか、などについて能登町役場の方や、地元の方と意見交換をしました。百聞は一見にしかず、の言葉通り、私たちも能登町の状況を少しですが共有することができ、能登町でバイオ炭プロジェクトの発足に関わる方々にも、バイオ炭の理解が深まる機会になったと思います。
能登町では令和7年2月に復興計画を策定し、段階を経ながら町のインフラの再生から安心して暮らし続けられるまちづくりまでを行っていくとのことです。その中でバイオ炭が地域の復興と、地球温暖化対策の両方の役割を果たすことができるよう、私たちもサポートをしていきたいと考えています。
(文責:土井美奈子)

