top of page

海外バイオ炭関連ニュース8/26-9/6

バイオ炭関連ニュース Quantum Carbon Dailyより

海外バイオ炭関連ニュース8/26-9/6

■2024年8月26日 Biochar firm adopts digital MRV amid demands from CDR buyers

(バイオ炭製造会社が、CDRバイヤーの要求に応えデジタルMRVを採用)

スイスの広葉樹・森林管理会社Interholco社は、ドイツのCula社がバイオ炭生産者向けに提供するデジタル測定・報告・検証(dMRV)技術を採用し、炭素除去生成プロセスの各段階における測定精度を向上することができた。Interholco社は、コンゴ共和国(ブラザヴィル)で廃木材からバイオ炭を製造しており、Cula社のソフトウェアを使用することで、廃木材のサプライチェーンとバイオ炭の最終生産における炭素会計の信頼性と正確性を高めることができたと述べた。これまでInterholcoは手作業でデータ、証拠写真、関連するGPS座標を取得し、手作業でシートにまとめ、検証者に提出していた。Interholco社は「MRVをデジタル化することで、CO2除去クレジットを5〜10%余分に獲得できることがわかった。」と述べている。

 

■2024年8月26日 EU ETS' impact on CO2 emissions significant: researchers

(EU‐ETSによるCO2排出量削減効果は大きい:研究者ら)

EUの排出量取引制度(EU‐ETS)は、世界初にして現在最大の炭素市場であり、制度開始後の15年間で、EU加盟国のCO2排出量削減に「大きな効果」をもたらしたとする報告書が発表された。イタリアの経済学者4人が執筆したこの報告書は、EUの排出量取引制度(EU‐ETS)がなければ、2005年から2020年の間に、発電、セメント、鉄鋼などの分野でCO2排出量が15.4%増加していただろうと結論づけている。

 

The impact of the European Union emissions trading system on carbon dioxide emissions: a matrix completion analysis

https://www.nature.com/articles/s41598-024-70260-6

 

■2024年8月27日 Partnership to explore impact of biochar on wine characteristics

(バイオ炭がワインの特性に与える影響を探るパートナーシップ事業)

アメリカワシントン州に本社を置く持続可能な農業技術を専門とするクアルテラ社(Qualterra)と、同州に拠点を置くブレッドソー・ワイン・エステーツ社(Bledsoe Wine Estates)は提携し、バイオ炭がブドウ畑の土壌の健全性と保水性に及ぼす影響を調査すると発表した。「この研究は、バイオ炭がどのように土壌の生産性を向上させ、保水力、ブドウ畑の持続可能性、ひいては生産されるワインの特徴に影響を与えるかについて、貴重な洞察を提供することを目的としている」とクアルテラ社は述べている。

 

■2024年8月27日 Partners to set up network of biochar plants in Malaysia

(マレーシアにバイオ炭製造工場ネットワークを設立)

NGOのWild Asiaとシンガポールのプロジェクト開発会社Circonomyが、ヤシ油の小規模農家をターゲットとしたバイオ炭の熱分解炉のネットワークをマレーシアに設立すると、8月27日に発表した。2者は、対象とする工場の数は明らかにしなかったが、アブラヤシの葉(7メートルほどに成長する葉)を炭化し、栽培農園の四方に撒くスキームについてはすでに着手していると述べた。Circonomy社は、スイスの炭素除去認証機関であるCSI(Carbon Standards International)に登録された炭化炉を、インドやその他のアジア諸国で運営している。

 

■2024年8月29日 Biochar group calls on construction sector to boost take-up

(バイオ炭グループが建設部門に普及促進を呼びかけ)

欧州バイオ炭産業(EBI:The European Biochar Industry)コンソーシアムが今週発表したポジションペーパーによると、バイオ炭が建設分野の脱炭素化に果たす役割をさらに認識してもらうよう、EBIは業界関係者や認証組織に呼びかけている、とのことである。世界の建設業からの温室効果ガス排出量は排出量全体の約8%を占めているが、バイオ炭をセメントと混合してコンクリートにすることで、そのカーボンフットプリントを削減することができる。バイオ炭は建物の強度、耐久性、断熱性を向上させることが研究で証明されている。


EBI Position Paper:Decarbonizing the Cement Industry with Biochar 

https://www.biochar-industry.com/2024/decarbonizing-the-cement-industry-with-biochar/

 

■2024年8月30日 Biochar carbon removal prices rise in line with tender

(バイオ炭の炭素クレジットの価格が入札に合わせて上昇)

バイオ炭の炭素クレジット市場は、炭素除去合弁事業NextGenによる市場入札の終了を控え、高値での取引が活発化していると、今週市場関係者が語った。ふたつのバイオ炭クレジット取引は、今年後半に引き渡されるもので、二酸化炭素換算トン当たり175ドルと200ドル、取引量は1件当たり3,000トンである。また、スポット市場では、500tCO2eの少量取引で205ドルでの取引も見られたと、ある情報筋は語った。


■2024年9月4日 'Premature' to make a decision on an EU agriculture ETS: report

(EU農業ETSの決定には「時期尚早」:報告書)

EUの農業部門の将来に関する報告書によると、農業のための排出量取引制度(ETS)の立ち上げの可能性について決定を下すのは「時期尚早」であると結論づけ、ETSの実現可能性と妥当性についてさらなる調査を求めた。9月4日に発表された「EU農業の将来に関する戦略的対話:the Strategic Dialogue on the Future of EU Agriculture」の最終報告書は、農業部門における温室効果ガス(GHG)排出削減の必要性は明らかであることを認めつつも、ETSの立ち上げについては多くの懸念を提起した。

 

Strategic Dialogue on the Future of EU Agriculture

https://commission.europa.eu/strategy-and-policy/priorities-2019-2024/european-green-deal/agriculture-and-green-deal/strategic-dialogue-future-eu-agriculture_en

bottom of page