日本バイオ炭コンソーシアム
海外バイオ炭関連ニュース4/22-5/3
バイオ炭関連ニュース Quantum Carbon Dailyより
Quantum Carbon Daily(Quantum Commodity Intelligence in London)ニュースから、バイオ炭に関する記事を抜粋・要約してお届けします。(2024年4月22日から5月3日分)
出典:Quantum Carbon Daily(Quantum Commodity Intelligence in London)
(記事詳細は有料)
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■US wastewater plants to remove CO2 using German biochar tech 2024年4月22日付
(米国の下水処理施設、ドイツのバイオ炭技術を使用して CO2 を除去)
米国に本拠を置く廃水技術会社オービタル・バイオカーボン社(Orbital Biocarbon)は、ドイツの熱分解装置メーカーであるピュレッグ社(Pyreg)の炭化技術を利用して下水汚泥をバイオ炭に変換すると発表した。下水汚泥には永久化学物質(PFAS)が多く含まれており、水道システムに浸透するリスクがあるため、米国環境保護庁 (EPA) は新しい規制を出した。Pyreg社 のモジュール式装置による炭化でPFAS汚染物質を破壊することで、EPA新規制を遵守するとともに、ボランタリー炭素除去クレジットを求めることが可能になるとしている。
■NetZero plans "around 15" new biochar plants next year 2024年4月22日付
(ネットゼロ社(仏)は来年「約15カ所」のバイオ炭工場を新設予定)
フランスのネットゼロ社は、「今年は4か所、来年は約15か所のバイオ炭工場を建設し、生産量を飛躍的に増やす予定」だと、アクセル・レイノー最高経営責任者(CEO)が語った。低価格で入手可能なバイオマス原料の在庫が豊富なため、ブラジルでのバイオ炭の生産を拡大する同社の戦略の中心となっている。ネットゼロ社は、ブラジルで、コーヒー殻を原料としてバイオ炭を製炭し、バイオ炭をコーヒー畑に散布して肥料の使用を減らしている。
■German startup unveils its first biochar project in Zimbabwe 2024年4月25日付
(ドイツのスタートアップ企業がジンバブエで初のバイオ炭プロジェクトを発表)
小規模バイオ炭生産を専門とするドイツのスタートアップ企業カーボンコネクト社(CarbonConnect)が、ジンバブエでのバイオ炭プロジェクトを発表した。同社によると、このプロジェクトは、ドイツ経済協力開発省が支援する「Organics4Zimイニシアチブ」を通じて、ジンバブエの小規模農家の再生農法を支援するOrganic Faming Academyと共同で開発された。バイオ炭の原料は、ジンバブエのバオバブbaobab果実加工センターから集められたバオバブ果実の殻で、地元製の開放型炭化器を使ってバイオ炭に変換する。
■EU to open funding call for 'healthy' soil-based activities 2024年5月1日付
(EUが「健康的な」土壌のための活動資金提供を開始)
EUは5月8日、2030年までに土壌の健全性を向上させることを目的とした9つの自然保護活動への資金提供を開始した。今年は総額1億3,450万ユーロ(1億4,430万ドル)を、EUの8つの目標を掲げる「A Soil Deal for Europe(欧州のための土壌政策)」を推進するための提案募集に割り当てている。8つの目標は以下の通り。
・砂漠化の防止
・土壌有機炭素の保全
・土壌被覆の中止と都市土壌の再利用の促進
・土壌汚染の減少と修復の促進
・侵食の防止
・土壌構造の改善による土壌生物多様性の向上
・EUのグローバル・フットプリントの削減
・社会における土壌リテラシー(理解能力)の向上
■Durable CDR sales down 12% in Q1, biochar dominates purchases 2024年5月2日付
(2024年第1四半期の耐久性CDR売上は12%減、バイオ炭が購入の大半を占める)
業界情報サイトcdr.fyiのレポートによると、2024年1-3月期のCDR市場におけるカーボンクレジットの購入量は、2023年10-12月期に比べ12%減の53万1,000トン(二酸化炭素換算、tCO2e)だった。cdr.fyiは報告書の中で、「耐久性のCDR市場はまだ始まったばかりで、購入量は大規模な取引に大きく依存している」と述べている。
■G7 ministers call for "gigatonne scale" CDR, high-integrity markets 2024年5月3日付
(G7閣僚「ギガトン規模」のCDRと、高い統合性のCDR市場を求める)
G7の環境大臣は、今週イタリアのトリノで開催された会合後に、二酸化炭素除去(CDR)対策を含む炭素管理技術が「ネット・ゼロへの移行に不可欠な要素」であり、特に削減が困難なセクターにおいて重要であることを認識したと述べた。コミュニケの中では、「2030年までにギガトン規模に達する炭素管理プロジェクトを推進するという国際的な目標のために、炭素管理技術とインフラの導入ペースと規模を大幅に拡大することの重要性を確認する」と述べられている。
Climate, Energy and Environment Ministers’ Meeting Communiqué (Torino, April 29-30, 2024)