日本バイオ炭コンソーシアム
海外バイオ炭関連ニュース11/4-15
バイオ炭関連ニュース Quantum Carbon Dailyより
Quantum Carbon Daily(Quantum Commodity Intelligence in London)ニュースから、バイオ炭に関する記事を抜粋・要約してお届けします。
出典:Quntum Carbon Daily(Quantum Commodity Intelligence in London)
(記事詳細は有料)
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■ US, Canadian JV eyes biochar projects in Florida, Tanzania 2024年11月6日付
(米国とカナダのジョイントベンチャー、フロリダとタンザニアでバイオ炭プロジェクトを検討)
ブルーマウンテン・カーボン社(BluMountain Carbon)は、カーボン・マーケット・エクスチェンジ社(CMX)と、タンザニアで地域の生産者組合から供給される原料を使い、バイオ炭とバイオエネルギーの生産と二酸化炭素除去(CDR)に共同で取り組むという「拘束力のある」意向書(LoI)に署名した。ブルーマウンテン・カーボン社は、アメリカとカナダを拠点とするBluSky Carbon とテキサスを拠点とする Red Mountain Biochar のジョイントベンチャーである。これとは別に、ブルーマウンテン・カーボン社はフロリダ州でNET社(Neutralizing Environmental Trash)と50:50のJV「NET of the Villages」として、バイオ炭とバイオエネルギー生産、バイオマスCDRに取り組む。
■ ANALYSIS: What does Trump's re-election mean for climate policy? 2024年11月6日付
(分析:トランプ再選は気候政策に何をもたらすか?)
パリ協定: 「トランプ大統領は、恐ろしく不公平なパリ協定から再び離脱し、アメリカの豊富なエネルギー資源開発を停止させることを目的とした急進左派のグリーン・ニューディール政策のすべてに反対する」と、次期大統領の公式プログラムには書かれている。これが他国の野心にどのような意味を持つかは不明だが、多くのアナリストは、排出曲線をさらに下降させるという狙いが損なわれることを恐れている。
UNFCCC: パリ協定の離脱より深刻なのは、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)全体からの脱退である。京都議定書とパリ協定を支える多国間プロセスからの脱退は、経済成長の制限の恐れから、米国の極右勢力の多くが以前から望んできたことだ。
アメリカのインフレ削減法(IRA:Inflation Reduction Act)の撤回やカーボンマーケットにおける国際的なリーダーシップは失われる可能性がある。
■ Climate crisis doesn't care who is in the White House: NGO group 2024年11月7日付
(気候危機は、ホワイトハウスの主が誰であろうと関係ない: NGOグループ)
世界的なNGO団体である気候行動ネットワーク(CAN: Climate Action Network)は、トランプ氏が米国大統領に再選したことを受け、エネルギー転換と気候危機への対応に向けた作業は、米国の関与に関係なく継続されると述べた。「トランプ大統領がパリ協定からの離脱を計画しているというニュースは、COP29において不安を引き起こすかもしれないが、世界の大多数は、気候変動対策は米国の大統領が誰であるかに左右されるものではないことを認識している。」とCANのエグゼクティブ・ディレクター、タスニーム・エソップは語った。
■ German biochar plant manufacturer enters Australia 2024年11月8日付
(ドイツのバイオ炭プラントメーカーがオーストラリアに進出)
ドイツを拠点とするバイオ炭機械メーカーの Pyreg は、オーストラリア最大の都市シドニーの廃棄物管理プロジェクト参入したと、今週発表した。同社のオーストラリア市場への参入は初めてである。Pyreg 社は、ジョン・ホランド(John Holland)、KBR and Stantecなどの不動産およびインフラ企業と協力し、リバーストーン水資源回収施設での廃水処理能力を高めるプロジェクトに取り組んでいる。Pyreg の主力バイオ炭プラントである PX1500-S リアクター 2 基を設置して、下水汚泥を「貴重なリンを含む高品質のバイオ炭」にリサイクルし、農業や建設に使用する予定である。
■ Platform aims to support funding for early-stage biochar firms 2024年11月11日付
(バイオ炭企業の初期段階に資金援助を目指すプラットフォームの設立)
英国に拠点を置く新企業Biochar Fundingは、バイオ炭による二酸化炭素除去(CDR)プロジェクトの初期段階で、開発を軌道に乗せるための資金にアクセスできるように支援することを目的としたプラットフォームを立ち上げた。このプラットフォームは、株式投資、ローン、プロジェクトファイナンス、オフテイク契約、炭素ストリーミング取引など、さまざまな金融ソリューションをサポートする。同様のサービスを提供する米国のGrain Ecosystemなどのプラットフォームと競合することとなる。
■ S. Korean finance firm partners to create 3,000 biochar CDRs a year 2024年11月11日付
(韓国の金融会社が年間3,000tのバイオ炭CDRの生産を提携)
韓国の金融サービス大手NHインベストメント・アンド・セキュリティーズは、国内のバイオ炭生産会社ウノ・エナジーと、炭素クレジットの生産と管理に関する契約を締結した。NHは年間約3,000tの炭素クレジットを生産し、国際市場で販売することを目指している。ウノ・エナジーは家畜の糞尿を原料とするバイオ炭を製造しており、Dangjin Dairy協同組合のリサイクル施設に年間2,000tの生産能力を持つ工場を完成させた。
■ Standards Australia consults on new biochar quality benchmark 2024年11月12日
(オーストラリア規格協会、バイオ炭の品質基準について協議)
オーストラリアの主要規格団体は、市場での慣行を規制するために、生産者向けの新しいバイオ炭品質基準に関する公開協議を開始した。これとは別に、業界関係者は、オーストラリア炭素クレジットユニット(ACCU)制度でバイオ炭の炭素除去クレジットを生成する方法論を提案しているが、これはまだ当局によって検討中である。提案された規格は、堆肥、肥料、コンクリート、道路、フィルター、バッテリーなど、さまざまな分野のすべての市販バイオ炭製品に適用され、生産施設で認識されるリスク、規模、状況に基づいてさまざまなテスト体制を適用する。P-004713-01 として知られ、「バイオチャー、バイオカーボン、および関連製品の格付けに関するオーストラリア基準」と呼ばれるこの提案は、11 月 21 日まで協議中である。
■ Set 1,000 year CDR durability threshold, Stripe tells policymakers 2024年11月12日
(ストライプ社は政策立案者に1,000年のCDR耐久性閾値を設定するよう述べた)
2 人の学者とテクノロジー企業 Stripe の研究者の論文によると、政策立案者は今後の法律で、二酸化炭素除去 (CDR) 技術の耐久性について、少なくとも 1,000 年の厳格な基準を規定する必要がある、とのことである。この分析では、平均CO2貯蔵期間が100年のCDR(植林やバイオ炭など)は、直接空気回収(DAC)やまだ発明されていない技術での1,000年の永久的除去をするシナリオと比較して、400年間で1.1℃の追加の温暖化につながると結論付けている。気候変動の大きな根本原因である大気と水域への二酸化炭素と熱の蓄積に対処するには、1,000 年以上の持続性を実現する技術が必要であると結論づけている。
■ COP29: CDR buyers aware of US political risks – DAC developer 2024年11月15日付
(COP29:CDRバイヤーは米国の政治リスクを認識 - DAC開発者)
ヒューストンに本社を置くプロジェクト開発会社「1PointFive社」の代表は、COP29のサイドイベントで「アメリカ新政権がどのような決定を下そうとも、それを乗り切る能力がある。私たちのバイヤーは、米国政治の現実を十分に認識した上で、この約束をした。」と語った。同社が来年テキサス州で稼動する世界最大の直接空気回収(DAC)から得られる二酸化炭素除去(CDR)クレジットは既にアマゾン、マイクロソフトなど15社の買い手企業との事前契約が結ばれている。トランプ次期米大統領は、CDR推進のために数百億ドルの税金控除や補助金が使われたインフレ抑制法を「グリーン・ニュー・スキャム(新グリーン詐欺)」と呼び、これを廃止すると公約している。