日本バイオ炭コンソーシアム
海外バイオ炭関連ニュース 6/3-11
バイオ炭関連ニュース Quantum Carbon Dailyより
Quantum Carbon Daily(Quantum Commodity Intelligence in London)ニュースから、バイオ炭に関する記事を抜粋・要約してお届けします。(2024年6/3-6/11)
出典:Quntum Carbon Daily(Quantum Commodity Intelligence in London)
https://www.qcintel.com/carbon/ (記事詳細は有料)
■2024年6月3日 German firm raises €4m to boost carbon-negative building products
(ドイツ企業が400万ユーロを調達し、カーボン・ネガティブな建築製品を強化)
ベルリンを拠点とするEcoLocked社は、バイオ炭を利用したカーボン・マイナス建材の製造活動を拡大するため、400万ユーロを調達した。「機能的でカーボン・ネガティブな建材を提供し、建設プロジェクトの二酸化炭素排出量を削減する。またバイオ炭生産者に最終用途へのアクセスを提供し、建築を人間が作り出す最大の炭素吸収源とする」と声明で述べた。EcoLocked社は今回の追加資金調達により、生産工場を拡張し、製品ラインを追加し、製品の販売を加速する予定である。
■2024年6月5日 Next IPCC report could lead to boost in CDR state incentives
(次回の IPCC 報告書において、CDR の国政インセンティブが強化される可能性あり)
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の作業部会副議長を務めるオリバー・ゲデン氏は、現状では直接空気回収(DAC)、バイオ炭、岩石風化強化(ERW)などの新しい二酸化炭素除去をギガトン規模にまで高めることはできないため、「政府からの政策誘導による需要が必要になる」と、スイスのDAC企業クライムワークスが主催の炭素除去サミット2024で述べた。同氏は、新しいIPCC報告書では、炭素回収・貯留などCDRに関する方法論が発表される予定であり、その後、国連の気候部門であるUNFCCCは、各国が炭素除去を自国のインベントリにどのように含めれるかについて決定する必要があると指摘した。
■2024年6月5日 South Korean ministries partner on biochar from livestock waste
(韓国の2つの省庁が家畜排泄物からのバイオ炭生成で提携)
韓国では環境省と農業食品農村省が共同で、バイオ炭や再生可能エネルギーの生成に利用するなど、家畜排泄物の処理を改善する取り組みを行っている。この2省は5月末、家畜排泄物の環境に配慮した管理と処理方法の多様化に関する業務協定を締結した。「この協定は、カーボン・ニュートラルの流れに沿って、堆肥化と液肥化が中心の現在の家畜排泄物処理構造を、環境に優しい新産業に転換する必要があるという両省の共通認識から生まれた」と両省は共同声明で述べている。家畜排泄物の新たなアプローチが農業セクターの温室効果ガスの削減を推進するとしている。
■2024年6月6日 CDR report outlines key deliverables for sector to scale
(CDR報告書は、規模拡大のための主要な成果を概説)
国連の報告書作成にも参加している科学者を含む学術専門チームが執筆した「The State of Carbon Dioxide Removal」報告書は、気候変動対策のための新技術が飛躍的にスケールアップするために何が必要かを示した。報告書では、いくつかのイニシアチブが連携し、足並みを揃えることで、投資家が明確なインセンティブを得ることができ、セクターの成長、研究、実証プログラム、技術革新、発明、新興企業のインキュベーションの拡大につながるとしている。
The State of Carbon Dioxide Removal report
■2024年6月6日 Fossil fuel investment to grow 2% in 2024 to five-year high: IEA
(化石燃料投資、2024年には2%増で5年ぶりの高水準に:IEA)
パリに本部を置く国際エネルギー機関(IEA)は、『世界エネルギー投資2024』報告書の中で、石油やガスの探査・生産といった化石燃料プロジェクトへの設備投資は、中国、米国、東南アジア、アフリカで減少する一方、ラテンアメリカ、インド、EUへの投資が増加することにより、今年2%以上増加する見込みだ。投資総額は11億1600万ドルに達し、5年ぶりの高水準になると発表した。
IEA World Energy Investment 2024 『世界エネルギー投資2024』
■2024年6月6日 【国内ニュース】東京都:取引しやすいカーボンクレジット取引システム構築
■2024年6月11日 New EU Parliament unlikely to dismantle green deal: analysts
(新EU議会がグリーン協定を破棄する可能性は低い)
先週末に27カ国で実施されたEU議会選挙(今後5年間)の暫定結果によると、気候懐疑派の極右政党が勢力を伸ばし、極右政党同士がより目に見える形で連携するようになったが、一部の予測ほどには躍進しなかった国もあった。極右政党は議席を増やしたが、過半数を形成したり、EUの気候政策の重要な要素、たとえばEUで予定されている2つ目のキャップ・アンド・トレード制度や、炭素除去のための新しいクレジット制度などを解体できるほどではないと、アナリストたちは述べている。
■2024年6月11日 Microsoft to buy almost 1m IFM CDRs from Anew
(マイクロソフト社、アニュー社から約100万のIFM CDRを購入)
マイクロソフト社は、2030年までにカーボン・マイナスを達成するという目標のため、米国の開発会社アニュー・クライメート社から自然由来の二酸化炭素除去(CDR)クレジットを100万近く購入する契約を結んだ。この取引によりマイクロソフト社のCDRクレジット購入のコミットメントは、約800万トンの二酸化炭素に相当するものとなった。
※IFM:Improved Forest Management; 改善された森林管理
■2024年6月11日 Study about biochar use in biogas plants has 'profound implications'
(バイオガスプラントへのバイオ炭の使用に関する研究は「重大な影響」がある)
バイオ炭の使用によりバイオガスプラントでのメタン発生量が約8%増加するという研究者の発見は、業界に「重大な影響」を与え、さらなる活用のきっかけとなるだろうと、欧州バイオ炭産業(EBI)コンソーシアムは述べている。この発見は、インスブルック大学微生物学部の研究者によって行われ、先月末に論文が発表された。ただし、バイオ炭をバイオガスプラントに投入しても、炭素クレジットは発生しない