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海外バイオ炭関連ニュース(2月上旬)

バイオ炭関連ニュース Quantum Carbon Dailyより

海外バイオ炭関連ニュース(2月上旬)

Quantum Carbon Daily(Quantum Commodity Intelligence in London)ニュースから、バイオ炭に関する記事を抜粋・要約してお届けします。(2024年2月前半分)


出典:Quntum Carbon Daily(Quantum Commodity Intelligence in London)

https://www.qcintel.com/carbon/ (記事詳細は有料)


■2/6付け Spot biochar credits in demand, forward credits offered lower

(バイオ炭クレジットはスポット取引に需要、フォワード取引は低めに提示)

バイオ炭の炭素クレジットに対する関心は、依然としてスポット市場に集中しており、市場関係者は、供給不足などの要因を反映して、CO2換算トン当たり150~180ドルの価格帯にあると見ている。一方、先物取引市場では、バイオ炭開発業者の資金不足を理由に値引きが迫られているようで、100ドル/t-CO2eを下回る価格になるプロジェクトもあるとQuantumでは聞いている。


■2/6付け Biochar has big potential to offset 8% of emissions in China: study

(中国のバイオ炭創出は排出量の8%を相殺するほど大きいポテンシャル:研究)

世界最大のCO2排出国中国では、バイオ炭技術の広範な展開がそのCO2総排出量の8%を相殺する可能性があることを、今週発表された科学雑誌Natureに掲載された研究論文が示した。ここでは3つのシナリオが組まれており、相殺率8%のシナリオは、エネルギー作物の栽培を増やしてバイオ炭技術を導入することで、年間最大0.92億トンのCO2排出量を削減できるというものである。その平均純コストは90ドル/t-CO2と試算。中国はこの10年末までに排出量のピークを迎え、2060年までに炭素中立を達成するという野心的な目標を設定している。


■2/7付け BECCS, biochar dominate CDR purchases, deliveries in 2023: report

(BECCS、バイオ炭が2023年のCDR購入・納入の大半を占める:報告)

業界情報サイトcdr.fyiのレポートによると、2023年のCDR(*1)クレジットの購入量と納入量は、BECCS(*2)とバイオ炭が大半を占めた。同レポートでは、CDR市場は昨年も「爆発的な成長」を続け、CDRの購入量は2022年の61万5000t-CO2e(CO2相当値)から7.3倍の450万t-CO2eに増加した。一方、CDRの上場量も拡大しているが、そのペースは遅く、2023年には倍増するが12万5000tCO2eに留まると指摘している。CDR購入で最も大きな割合を占めたのはBECCSで、全体の64%を占めた。しかし上場割合は大きく異なり、その92.9%がバイオ炭であった。

*1-CDR: Carbon Dioxide Removal、大気中CO2除去

*2-BECCS: Bioenergy with Carbon Capture and Storageバイオマスを燃焼して発電する施設から出るCO2を地中に貯留する技術を指す。


■2/8付け Japanese trio partner to boost decarbonisation with carbon credits:CarbonEX

(日本の協力3社が炭素クレジットで脱炭素化を喚起:CarbonEX)

日本の取引所Carbon Exと気候技術スタートアップのアスエネ社(Asuene)は、北日本銀行とのビジネス提携をして、主に日本の東北地方での脱炭素化を支援することにした。北日本銀行は、アスエネ社が提供するクラウドベースの気候プラットフォームであるアスゼロ(Asuzero)の利用や、顧客とビジネスパートナーに対して他の2社を仲介する。このプラットフォームは、企業の炭素排出を計測・報告し、CO2削減するのに役立てる。「気候関連の財務情報も開示する必要がある大企業だけでなく、取引を行う中小企業も、自社のCO2排出を可視化し、削減措置を講じる必要があります。」と述べている。


■2/9付け Biochar producer closes funding round for five new Asian projects

(バイオ炭生産者は5つの新しいアジアプロジェクトの資金調達ラウンドを完了)

シンガポールを拠点とするAlcom Carbon Markets(ACM)は、バイオ炭プロジェクトの拡大に投資するシリーズAの前投資ラウンドを完了した。フィリピンで既存の2つのもみ殻炭化事業はPuro.earthの炭素クレジット認証を取得し、価格は$216/t-CO2を希望。それに加えて5つの新設事業をフィリピン、インド、東南アジア諸国に展開する計画。7つの工場からは年間約16,000〜18,000トン-CO2の貯留能力を見積もっている。計画ではもみ殻、トウモロコシの穂軸、コーヒー殻、木片など多様なバイオマス原料を処理して、ステークホルダーの要件に合わせてバイオ炭、電気、熱やバイオ油を複合的に生産する。


■2/9付け Record January temperature caps 12 months above 1.5℃ threshold

(1月の記録的な気温により、平均気温が1.5℃を超える月が12ヶ月続く)

コペルニクス大気モニタリング・サービス(CAMS)のデータによると、1月も記録的な高温となり、世界の気温は1850~1900年の産業革命前の平均を1.5℃以上上回った。過去12ヶ月間(2023年2月〜2024年1月)の世界平均気温は、1991〜2020年の平均を0.64℃、1850〜1900年の平均を1.52℃上回り、過去最高となった。

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