日本バイオ炭コンソーシアム
海外バイオ炭関連ニュース(1月後半)
バイオ炭関連ニュース Quantum Carbon Dailyより
Quantum Carbon Daily(Quantum Commodity Intelligence in London)ニュースから、バイオ炭に関する記事を抜粋・要約してお届けします。(2024年1月後半分)
出典:Quntum Carbon Daily(Quantum Commodity Intelligence in London)
https://www.qcintel.com/carbon/ (記事詳細は有料)
■2024年1月31日 Carbon standard seeks views on updated biochar protocol
(Carbon Standardがバイオ炭要綱更新版の意見募集)
スイスのCarbon Standards International(CSI)は、バイオ炭を活用した農業、都市利用、基盤資材や消費者向け資材を含む幅広い様々な製品を対象に、炭素除去を認証するBiochar C-Sink Stanardをバージョン3.0に更新し、それに関する公開ヒアリングをしている。このStandardは以前はEuropean Biochar Certificate C-Sink(EBC C-Sink)として知られていた。CSIは、更新版では資材系や地質学的な手法による炭素固定の創出と認証のために、GHG排出計算やトラッキング手順、ライフサイクルなどの点で、以前より堅牢で包括的な枠組みを設定していると述べている。
■2024年1月31日 Producers seek to market biochar as long-term carbon store
(バイオ炭を長期的な炭素貯蔵庫として市場を探す生産者たち)
バイオ炭生産者はバイオ炭を永続的な炭素貯蔵庫として、規制当局が今後のクレジット枠組み の技術に認めるように強い期待をもっている。バイオ炭の炭素クレジット市場は、ブローカーによると、昨年、CO2換算で約20万トンの取引があり、CO2除去(CDR)市場としては最大であったが、CO2排出削減クレジットに比べればはるかに小さい。EUは現在、CRCF-炭素除去認証枠組み(Carbon Removal Certification Framework)において、バイオ炭を「恒久的なもの(permanent) 」に分類するかどうかを議論している。一方、米国ではDAC(工学的直接CO2除去技術)に重点を置いており、バイオ炭が同国のIRA-インフレ削減法(Inflation Reduction Act)から除外されたため、EUのバイオ炭関係者は欧州でも同様に行政支援から除外されるのではと危機感をもっている。
■2024年1月30日 Microsoft strikes 30-year deal for CDRs from regenerative farming
(マイクロソフト社、再生農業からCDRを30年契約)
マイクロソフトは、米国を拠点とする土壌炭素測定会社グラスルーツカーボンと、牧場の全面にわたる草原を再生管理して発生する未公表の炭素除去量のクレジット化について、30年間のオフテイク契約を結んだ。このハイテク巨大企業は世界最大の二酸化炭素除去(CDR)クレジットの買い手と一般に見られているが、同社にとってこの新しい契約はこの種のプロジェクトからCDRを購入することに合意した初めてのケースとなる。
■2024年1月27日 Biochar ready for prime time, but pre-pay deals a mirage: conference
(バイオ炭の普及準備は整うが、前払い取引は蜃気楼)
ヨーロッパのバイオ炭業界は今週、フランスのナントに集まり、業界の現状について話し合った。この会議では、バイオ炭の生産者は事業規模の拡大途上にあるが、その道のりは長く、生産者は炭素クレジットのいわゆる前払い契約だけに頼るべきではないと指摘された。過去2年間で投資額は急増しているが、この分野はまだニッチェである。炭素クレジットブローカー・アクセンド社(ノルウェー)によると、バイオ炭は2023年にCO2換算で19万t-CO2eの炭素クレジット取引が行われ、今年は20万〜30万t-CO2eに達しそうだという。この分野に特化しているコンサルタントは、経済性の規模を得るためにバイオ炭プロジェクトが大規模化する傾向にあり、バイオ炭生産量で年間1万トンから3万トンのプロジェクトが続々と出現していると言っている。しかし、複数の生産者は「炭素クレジットの販売は、長期的な購入契約を結ぼうとする買い手がほとんどいないため、うまくいっているとは言い難い」と語った。先のコンサルタントは「バイオ炭プラントの運営は、一見したよりもかなり複雑なのである」と指摘している。
■2024年1月19日 Up to 200m t of removals needed to meet EU climate goals: draft
(EUの気候目標達成には最大2億トンの除去が必要:草案)
2月6日に発表予定のEU計画によると、EUが気候中立目標を達成するためには、2050年までに年間4億5,000万トンのCO2を回収する必要があり、その大部分はCO2除去によるものである。欧州委員会は、重工業における炭素回収と地下貯蔵、および/または燃料などの製品への利用が、必要とされる除去量の大半を達成することになると述べ、ICM-産業炭素管理戦略(Industrial carbon management)は3つの柱をより密接に結びつけることを目指すと付け加えた。しかし、ロビー団体によれば、様々な除去技術やそれを支える法律がどのように組み合わされるのかについては、多くの不確実性が残されていると警告している。
■2024年1月27日 UK poultry litter biochar project to generate carbon credits
(英国の鶏糞バイオ炭プロジェクト、炭素クレジット創出へ)
英国を拠点とする鶏糞をバイオ炭にするプロジェクトがPuro.earthの認証に申請し、そのプロセスから炭素クレジットを創出する計画であることが、今週開かれた会議で明らかになった。バイオ炭の熱分解メーカーであるオンヌ社は、年間40,000トンの鶏糞を4,600トンのバイオ炭と7,000トンのCO2換算(CO2e)の炭素隔離に変換できる最初のプラントを試運転中である。
■2024 North American Biochar Conferenceが開催されます。
2024年2月12日~15日