日本バイオ炭コンソーシアム
国立中央大学(台湾)の来所
台湾の国立中央大学が日本バイオ炭研究センターと研究交流
2024年8月8日(木)、9日(金)に、台湾の国立中央大学の研究者ら12名の調査団を立命館大学日本バイオ炭研究センターが受入れました。
Dr. Shu-San Hsiau教授を団長とする調査団は台湾でUniversity Social Responsibilityプロジェクトに取り組んでおり、12名が立命館大学バイオ炭研究センターを訪問されました。
このプロジェクトでは、対象地域である台湾北部のFuxing(復興)地区で
自然災害への備え
水質の保全
エネルギーと温室効果ガスの排出削減
文化と産業
の4つの分野に焦点をあてて、地域・産業・技術・文化などの多様な側面から持続可能な地域を創造していくことを目指しています。
今回の日本バイオ炭研究センターへの訪問は、Fuxing(復興)地区で繁茂生育する竹(タイワンマダケ)の有効活用を探ることが目的で、バイオ炭もその1つに位置づけられてました。
8日は立命館大学OICキャンパスで台湾中央大学のプロジェクトの紹介をしてもらった後に、福岡大学工学部教授であり、竹イノベーション研究会の代表である佐藤研一教授より、日本で竹チップを使用した道路舗装の事例や、竹イノベーション研究会に所属する企業・団体の独創的な事例を紹介いただきました。
同調査団からは、竹の舗装は既に事業になっているのか、どのような比率で原料を混合するのかなど多数の、といった質問が出ました。
続いてバイオ炭研究センターの柴田教授が、バイオ炭の土壌施用がなぜ炭素隔離になるのか、炭化の仕組み、クルベジを使った地域モデルの話をしました。
バイオ炭の管轄の省庁はどこになるのか、簡易炭化器を使用すると大気汚染物質は出ないのかなどの、といった質問が出ました議論がされました。(写真1、2、3)
いずれでも質問時間を大幅に超えて、熱心な議論がされたことは、たいへん有意義でした。
翌8月9日は、当研究センターと連携するいくつかの事業所、と機関やプロジェクトを視察しました。
①高槻バイオチャーエネルギー研究所(写真4)
深掘り式平炉と組立型バッチ式炭化炉を見学しながら、島田勇巳所長の詳しい説明を受けました。 台湾現地でも竹の炭化事業者がいるはいますようですが、調査団はまだ竹炭製造には取り組んでいないので、 工学系の教官は熱心に作図しながらメモを取っていました。
②亀岡市役所(写真5)
同市は環境保全型農作物クルベジブランドの発祥の地であり、現在でも産官学民で地球温暖化対策に取り組んでいます。地方行政が地域の環境問題・経済振興にどう取り組むかについて、調査団も高い関心をもっていました。
同市役所では、石野茂・副市長から歓迎の挨拶を受け、続いて環境先進都市推進部の山内剛・部長と名倉真也・副課長から、ゼロエミッションと持続的な地域内資源循環の一環として「プラスチックごみゼロ」に向けた産官民の実践活動や、剪定枝等の資源化手段としての炭化実証事業・J-クレジット化の取り組みについて説明を受け、意見交換しました。プロジェクト現場も視察しました。
③営農型太陽光発電事業(写真6)
一般社団法人・日本クルベジ協会が運営するプロジェクトで、農地に高架型太陽光発電パネルを設置し、その下でバイオ炭施用した農林作物を栽培しています。ここには開放型炭化器、スクリュー式連続炭化炉や生産したもみ殻炭もあり、調査団は熱心にメモを取ってました。
調査団は当研究センターとの友好的な交流を終え、今後の連携を期待しながら8月13日に帰国されました。