
日本バイオ炭コンソーシアム
国内外バイオ炭ニュース8/19-9/4
バイオ炭関連ニュース Quantum Carbon Dailyより

Quantum Carbon Daily (Quantum Commodity Intelligence in London)ニュースから、バイオ炭に関する記事を抜粋・要約してお届けします。(2025年8月19日から9月4日分)
出典:Quntum Carbon Daily(Quantum Commodity Intelligence in London)
(記事詳細は有料)
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■Swiss CDR financier to buy over 50,000 SE Asian biochar credits 2025年8月27日付
(スイスのCDR金融会社、東南アジア産バイオ炭クレジット5万t-CO2超を購入へ)
スイスに拠点を置くCO₂除去金融会社のAltitudeは、フィンランド本社のPuroスタンダードで認証された東南アジア産バイオ炭クレジットを5万t-CO2以上購入することを約束した。
Altitudeは、東南アジアで地域開発会社Greenglowが運営するバイオ炭施設から発行されるCO₂除去証書(CORCs)を購入すると発表した。同社は声明の中で、この契約は「Altitudeの耐久的な炭素除去プロジェクトのグローバルポートフォリオにおける大きな拡大を示すものだ」と述べた。
■US biochar developer raises $11.5m to scale biochar removals 2025年8月28日付
(米バイオ炭開発会社Terraton、バイオ炭除去拡大に向け1,150万ドルを調達)
米国のバイオ炭プロジェクト開発会社Terratonは、農家が作物残渣をバイオ炭に転換してカーボンクレジットを創出するのを支援する自社のソフトウェアおよび金融プラットフォームを強化するため、1,150万ドルのシード資金を調達した。Terratonは「この資金は、バイオ炭生産のための垂直統合型ソフトウェアプラットフォームの開発・展開を加速させ、同社が信頼性の高いカーボンクレジットを拡大するのに役立つ」と声明で述べている。同社がアフリカで進めているプロジェクトは年間で2万トン以上のCO₂換算除去を見込み、廃棄物の買い取りや土壌改善を通じて数千人の小規模農家に利益をもたらすとされる。
■Biological CDR in UK 'needs to build trust': research 2025年8月28日付
(英国の生物由来CDR「信頼構築が必要」:研究)
バイオ炭を含むさまざまな生物由来の二酸化炭素除去(CDR)技術を用いた大規模プロジェクトは、特にクレジットが「排出の免罪符」として使われる場合、英国では公的な受容性が極めて限定的であるとの新しい研究結果が発表された。「人々が最も知りたいライフサイクル排出量、耐久性、土地利用要件について、データを整備し、より分かりやすく伝える必要がある」と、この研究は指摘している。研究はまた、大規模な生物由来CDRの展開により、大きな環境負荷をもたらしている産業が排出削減義務を免れる可能性を防ぐために、規制的な予防措置が必要だと強調している。
(論文)
https://www.nature.com/articles/s43247-025-02654-x
■Rapid rollout of geoengineering is 'urgently essential': CDR pioneer 2025年8月29日付
(ジオエンジニアリングの迅速な展開は「一刻を争うほど重要」)
CO2除去への先駆的な投資家である米国のポール・ギャビン氏が、ジオエンジニアリング(地球工学)分野の技術はあまりにも拡大が遅く、温室効果ガス排出増加の抑制には何の影響も与えられていないと認め、暴走的な気候変動を防ぐにはジオエンジニアリングによる地球冷却技術が緊急に必要だと警鐘を鳴らしている。ギャンビル氏は「成層圏エアロゾル注入((SAI: Stratospheric Aerosol Injection)や海洋雲増光(MCB :Marine Cloud Brightening)のような手法は、数か月で効果を示す可能性があり、ギガトン規模の除去に比べればごく一部のコストで済む」とし、「転換点との競争ではスピードが重要だ」と強調した。
■Biochar executives warn Puro risks losing market share in US 2025年9月3日付
(バイオ炭業界幹部、Puroは米国市場でシェアを失うリスクと警告)
バイオ炭業界の一部幹部は、Puroの最新の方法論改訂を批判し、フィンランドのスタンダードは小売部門でのバイオ炭販売を事実上禁止する新ルールにより、米国での支持を大幅に失うリスクがあると警告している。Puro.earth は今年初め、大幅な方法論の更新を発表したが、その方法論の 3.6.6項 では、開発者が最終納品の証拠を「配送地域、使用量、用途区分、納品日を明記する」形で提出することを義務付けている。複数の業界幹部は、このルールにより小売業者を通じてのバイオ炭販売が不可能になったとQuantumに語った。
■BluSky, Carbonpave JV to deploy biochar-bearing 'cold asphalt' 2025年9月4日付
(BluSkyとCarbonpave、バイオ炭混合「コールドアスファルト」を展開へ)
カナダ拠点のバイオ炭開発企業 BluSky Carbon は、米国の Carbonpave USA と提携し、同社の「コールドアスファルト」技術を北米で商業化するための予備的パートナーシップ契約を締結した。同社のコールドアスファルト混合材は「新規道路建設や再舗装のコストを最大40%削減でき、-8℃の低温でも舗装が可能」とBluSkyは声明で発表した。
■Puro.earth gets €11m in Series B funding from Nasdaq 2025年9月4日付
(Puro.earth、NasdaqとFortumからシリーズB資金調達1,100万ユーロを獲得)
フィンランドに拠点を置くPuro.earth は、長年の協力関係にある Nasdaq および同国の電力会社 Fortum をリード投資家とするシリーズB資金調達で 1,100万ユーロ(1,280万ドル) を確保した。今回の資金注入は、クレジット発行や販売の迅速化、監査におけるデジタルツールの効率的な活用を加速することを目的としている。Puro.earthは依然として発行済みCDRクレジット数では市場リーダーだが、近年は Isometric などのライバルに一部シェアを奪われており、バイオ炭、強化風化(ERW)、DAC(直接空気回収)といったプロジェクト類型の方法論や発行サービスを巡る競争が激化している。