
日本バイオ炭コンソーシアム
海外バイオ炭関連ニュース9月下旬
バイオ炭関連ニュース Quantum Carbon Dailyより

Quntum Carbon Daily(Quantum Commodity Intelligence in London)ニュースから、バイオ炭に関する記事を抜粋・要約してお届けします。
出典:Quntum Carbon Daily(Quantum Commodity Intelligence in London)
(記事詳細は有料)
■2024年9月23日 Subnational governments key to meeting net zero targets: report
(地方政府がネットゼロ目標達成の鍵:報告書)
ネット・ゼロ・トラッカー・コンソーシアム(Net Zero Tracker consortium)による報告書「ネット・ゼロ・ストックテイク2024」によると、各国の気候変動緩和の取り組みにおいて、サブナショナル政府が大きな役割を果たしているが、その取り組みは、彼らが持つ権限や彼らの野心のレベルによって異なると記されている。この報告書は、世界の国、地域、都市、企業の気候変動に対する公約の意図と整合性を毎年評価するものである。同報告書は、都市、州、地域当局に対し、より明確なネット・ゼロ計画につながる政策や規制を確立し、実施するよう求めているが、主要な非国家主体および地方主体の40%以上は、いまだ排出量削減の目標も持っていないことに警鐘を鳴らしている。
Net Zero Tracker consortium :Net Zero Stocktake 2024
■2024年9月24日 OPINION: On carbon credits, tell the whole story - Verra CEO
(オピニオン:炭素クレジットについて、すべてのストーリーを語れ - Verra CEO)
世界最大の自主的炭素クレジット市場(VCM)であるVerraの最高経営責任者であるマンディ・ランバロス(Mandy Rambharos)は、ポスト紙の8月26日付社説「次の大きな気候変動に関する目標: カーボン・オフセット詐欺に終止符を」で見出しを飾ったVCMに関する記事に対して批判を重ねている。「炭素クレジットには将来性があり、機能させなければならないことを認めているにもかかわらず、この記事はVCMの全体像を語っていないため、気候変動対策を遅らせ続けるだろう。世界で最も広く利用されている炭素クレジット市場標準であるVerraのCEOに新たに任命された私は、市場の透明性、完全性、品質、信頼を高めることにより、我々の使命を推進することに深くコミットしていく。」などと述べている。
記事全文はこちらから↓
Verra:On Carbon Credits, Tell the Whole Story
■2024年9月25日 Bolivian biochar firm eyes ten-fold rise in its CDR capacity
(ボリビアのバイオ炭企業、CDR生産能力の10倍増を目指す)
現在、世界最大のバイオ炭設備を運営するエクソマッド・グリーン社(Exomad Green)は、ボリビアに新たな施設を建設し、2027年までに同社の総生産能力を10倍以上に拡大すると、同社の共同設立者であるマルセロ・ペレイラ・ホルターズ氏(Marcelo Pereira Holters)がClimate Week NYC 2024のイベントで発表した。候補地は挙がっているが、正確な場所は未定である。Exomad Green社は現在2つの設備を運営しており、それぞれ林業残渣を原料とし、大気中から6万トンのCO2を除去している。
■2024年9月27日 Burying wood in an oxygen-free environment is a durable CDR: paper
(酸素のない環境に木材を埋めることは、耐久性のある CDR である:論文)
木質バイオマスを酸素のない環境に埋める「ウッド ヴォールティング(wood vaulting)」は、通常の分解に伴う炭素損失を防ぐことができる耐久性のある炭素除去方法であることが、新しい論文で明らかになった。この研究では、 3,775 年前に地下 2 メートルの場所に埋められた木材が、現代のサンプルと比較して炭素の損失が 5% 未満で、予想寿命をはるかに超えて保存されていることがわかった。論文では「私たちの観察は、同様の無酸素環境に木質バイオマスを埋めることによって炭素を除去するための自然工学アプローチを示唆している」と述べている。
3775-year-old wood burial supports “wood vaulting” as a durable carbon removal method
■2024年10月2日 Kenyan firm eyes first production of biochar-based concrete
(ケニア企業、バイオ炭をベースとしたコンクリートの初製造を目指す)
ケニアに本拠を置くパイロジェン(Pyrogen)社は、ケニア工業所有権研究所から、バイオ炭を練り込んだコンクリート混和設計に関する「実用新案特許」を取得したと発表した。パイロジェン社の声明によると、工場がフル稼働した場合、毎年3,000トン以上のCO2が吸収される見込みだという。現在、欧州委員会では、プロジェクトがどのように炭素クレジットを獲得するかを成文化することを目的とし、炭素除去およびカーボンファーミングの規制枠組みの中で、さまざまな炭素除去技術に関する方法論を策定する作業の一環として、専門家のアドバイスを受けている。
■2024年9月23日 Puro.earth biochar protocol update likely to only double time horizon
(Puro.earth:バイオ炭プロトコルの更新は時間軸を2倍にするだけになりそうだ)
フィンランドに本拠を置く炭素クレジット認証規格Puro.earthは、来年早々にもバイオ炭の手法を更新する予定である。2022年に更新された現在のピューロ社のバイオ炭の評価方法は、100年間の二酸化炭素除去量を定量化するもので、この時間軸はバイオ炭の真の可能性を表していないとの意見もある。今回の更新では、バイオ炭の炭素除去クレジットをCORC200+と表示することが検討されており、これはバイオ炭の炭素貯留が2世紀続くことを意味する、と同社は述べている。バイオ炭プロジェクト開発者にとっては喜ばしいことだが、同社が2024年2月の会議で検討中とした1,000年という期間からは短縮されることになる。
■2024年10月3日 CDR buyer numbers down in Q3 despite growing volumes: cdr.fyi
(CDR購入者数、数量増加にもかかわらず第3四半期は減少:cdr.fyi)
Cdr.fyiは、世界で公表されたCDR取引を追跡しデータ化して公開している。2024年の第3四半期はこれまでで3番目に取引量が高い四半期となり、120万トンの二酸化炭素(tCO2e)に相当するCDRが契約された。しかし契約量が好調だった一方で、購入件数は減少傾向にある、と同グループは述べた。新規購入者の数も減少しており、第3四半期は2021年第3四半期以来の最低を記録したとし、「これは懸念すべき傾向だ」と付け加えた。耐久性CDR市場が長期的に必要な規模を達成する唯一の方法は、「初回購入者を継続的に増やし、彼らが時間をかけて購入を増やすことだ」とcdr.fyiは述べている。
■2024年10月4日 Carbon credit buyers not interested in direct air capture: exec
(炭素クレジット購入者は直接空気回収に興味なし:幹部コメント)
炭素仲介業者ルビコン・カーボン(Rubicon Carbon)の最高科学責任者であるジェニファー・ジェンキンス氏は、10/4のウェビナーで、大多数の企業は直接空気回収(DAC)プラントからの炭素除去クレジットは価格が高すぎて、購入に関心がないと述べた。業界の推定によると、DACプロジェクトは現在、CO2換算トンあたり600ドルから1,000ドルで大気からCO2を除去できる。ジェンキンス氏は、投資家にとっての難題は、将来的に炭素除去価格が下落すると予想されることであり、DACにとってはかなり厳しいものになる可能性があると述べた。